モデルの仕事内容とは?種類・年収・メリット・求められる条件を解説モデルの仕事は、商品の魅力やブランドイメージを身体を通じて表現する職業です。一口に「モデル」と言っても、その仕事内容は多岐にわたります。ファッションモデルとしてランウェイを歩く人もいれば、広告モデルとして商品の特徴を引き立てる役割を担う人もいます。また、特定のパーツに特化したモデルや、読者モデルなど多種多様な形態で活動するケースも少なくありません。この記事では、モデルの具体的な仕事内容や種類、モデルを目指すメリット・デメリット、さらに求められる条件について詳しく解説します。これからモデルを目指したい方や、業界への理解を深めたい方はぜひご覧ください。1. モデルの仕事とは?モデルとは、ファッション・アパレル商品を着用してブランドのイメージを表現し、消費者にブランドの魅力を伝える職業です。一般的に「モデル」はファッションモデルを指しますが、コマーシャルモデルやパーツモデルなど、モデルの具体的な仕事は多岐にわたります。かつては、モデルは長身かつスマートな体型であることが求められる仕事でした。しかし、多様性への理解が進みつつある現在では、体型や肌の色、人種など、あらゆる個性を持つモデルへの需要が増加しています。モデルの仕事に共通しているのは、自分の身体を通して表現することです。そのため、独自の個性を発揮することはもちろん、必要とされる容姿や表現力を磨く努力が欠かせない仕事と言えます。1-1. モデルの仕事内容・働き方モデルの主な仕事内容は、「撮影」と「ショーへの出演」の2種類です。撮影では、フォトグラファーなどの指示に従って、商品の魅力を表現するためにポーズを取ります。撮影は撮った写真や動画のデータを都度確認しながら進み、必要に応じて照明やファッションの調整などが入るため、ある程度時間がかかるケースが多いでしょう。撮影された写真や動画は、雑誌・テレビなどのメディアで掲載または放送されます。ショーへの出演では、ブランドの新作などを発表するために、ブランドアイテムを身に着けてウォーキングやポージングを行います。ショーの当日だけではなく、当日に向けたスタイル維持やウォーキング・ポージングの練習などもモデルの仕事の一環です。1-2. 撮影における基本の流れモデルの撮影の仕事における一般的な仕事内容・流れは以下の通りです。現場入り撮影現場に到着し、スタッフとの打ち合わせを行った後に撮影用の着替えやヘアメイクをしてもらいます。ヘアメイクにかかる時間は1時間前後が一般的です。撮影撮影場所に移動し、指示に従って表情づくりやポージングをしながら撮影を行います。1回の仕事で複数のシチュエーションの写真を撮るケースが多く、着替え・撮影・確認の流れを何セットか繰り返します。撮影終了撮影したデータの最終チェックを行い、問題なければ撮影終了です。2. モデルの仕事の種類モデルの仕事にはさまざまな種類があります。そのため、自分がモデルの中でもどのような仕事をしたいのかを考えることが大切です。モデルの仕事の種類4つとそれぞれの仕事内容を紹介するので、参考にしてください。2-1. ファッションモデルの仕事ファッションモデルは、ファッションブランドやデザイナーのアイテムの魅力を、自分の身体を使って表現する仕事です。衣服や靴、アクセサリーなどを身に着けて撮影やショーへの出演を行う仕事であり、モデルの代表的な存在とも言えます。ファッションモデルの主な仕事内容は、雑誌・カタログの写真撮影やテレビCMの動画撮影、ファッションショーへの出演などです。最近では、インターネットの普及に伴ってWebムービーや動画配信チャンネルなどの撮影を行うケースもあり、活躍の場が広がっている仕事と言えるでしょう。さらに、ブランドの新作コレクションや商品のプロモーションイベントに参加することもあります。▶「ファッションモデルなるには」2-2. コマーシャルモデルの仕事コマーシャルモデルとは、広告や映像の撮影において、製品やブランドのイメージを伝える仕事です。主にテレビCMや雑誌、カタログといった広告媒体で活躍します。ファッションモデルが流行の発信を主な目的としているのに対し、コマーシャルモデルの目的はより多くの消費者に「商品を買いたい」と思ってもらうことです。多くの消費者に訴求する必要があるため、完璧なプロポーションよりも、親しみやすさや愛嬌が求められるのがコマーシャルモデルの大きな特徴と言えます。また、コマーシャルによって求められるモデルが異なるため、子供から大人まで幅広い年齢層の方が活躍している仕事です。2-3. パーツモデルの仕事ファッションモデルやコマーシャルモデルが顔や全身を使って表現するのに対し、パーツモデルは手や足、髪といった身体の特定のパーツを使って仕事をします。パーツモデルは全身の美しさやバランスのよさではなく、体の一部分のみの美しさで勝負する点が大きな特徴です。例えば、手指が美しい方は手タレ(手のタレント)、足がすらりと長い方は足タレ(足のタレント)として活躍しています。手タレはハンドクリームやネイル、アクセサリーなどの広告に、足タレはフットケアグッズやストッキング、靴などの広告にパーツモデルとして登場します。パーツモデルは顔や特定のパーツ以外の美しさは問われないものの、モデルとして使う部分の美容を保つために入念なケアが欠かせません。▶「パーツモデル」2-4. その他モデルの仕事その他、モデルには以下のような仕事もあります。・読者モデルファッション雑誌の読者の中から編集部に選ばれたモデルのことです。読者モデルはプロモデルではなく、現役の学生や会社員を含む一般の方から選ばれるのが大きな特徴となっています。・ブライダルモデルウェディングドレスのカタログやショーなどで花嫁役を務めるモデルのことです。結婚式を希望する女性やカップルに訴求する役割があります。・イベントモデルイベントや展示会、新商品の発表会などで、来場者に商品や展示品をアピールする仕事です。一般的にはイベントごとに単発で仕事を請ける形式が多くなっています。3. モデルの仕事をするメリットとデメリットモデルの仕事に、華やかで楽しいイメージを持っている方も多いでしょう。モデルの仕事には多くの魅力ややりがいがある一方で、大変な部分もゼロではありません。以下ではモデルの仕事をする上でのメリットやデメリットを紹介します。3-1. モデルの仕事をするメリットモデルの仕事における大きなメリットは、自分の仕事によってブランドや商品に注目を集められる点です。実際に、起用されたモデルの影響で商品の売り上げが一気に伸びることも少なくありません。ブランド・商品の顔やファッションリーダーとして世間に大きな影響を与えられ、反響を得られればクライアントにも満足してもらえます。また、モデルの仕事を通して自分自身の魅力を世の中に発信できる点も大きなメリットです。モデルの仕事をする中で、自分でも気がつかなかったチャームポイントを発見できるケースもあります。自分の魅力を発信することで、人々に「自分もあの人のようにきれいになりたい」といった夢を与えられる点もやりがいにつながるでしょう。3-2. モデルの仕事をするデメリットモデルにとっては、自分の身体が商売道具です。そのため、日頃からの入念なケアが必要であり、場合によっては体型維持のためにトレーニングや食事制限などもします。加えて、モデルとしての収入が安定するまでは経済的に苦労する可能性があります。また、モデルの世界は実力主義です。待っているだけで仕事が来るケースは少なく、積極的にオーディションなどに挑戦して自分を売り込む必要があります。オーディションでは多くのライバルがいるため、結果が明確に分かることもあります。その過程でうまくいかないことが続くと、不安を感じることがあるかもしれません。ただし、挑戦を重ねることで経験が積み重なり、自分の魅力をより深く理解する機会にもつながります。4. モデルの仕事の給料は?モデルとして活躍したい場合、チェックしておきたいのが給料相場です。プロのモデルになるなら、モデルの仕事だけで生計を立てたいと考える方も多いでしょう。以下では、モデルの仕事の給料相場を、時給と月収・年収で分けて紹介します。▶「撮影会 モデル 給料」4-1. モデルの時給日本のモデルの時給相場は約2,300~3,000円です。主要都市では大規模なショーが行われやすいこともあり、地方に比べて時給が高い傾向があります。モデルの雇用形態は、主に「事務所に所属する個人事業主」「フリーランス」「アルバイト」の3種類です。この内、アルバイトについては時給制で活躍している方もいます。ただし、どのような雇用形態でも、時給制や月給制ではなく契約1件ごとに報酬が決まっているのが一般的です。4-2. モデルの月収・年収モデルの収入は一般的な会社員のように固定ではありません。モデルを務める雑誌の発行部数やモデル自身の人気、契約内容など、さまざまな要素によって仕事1本あたりの報酬が変わります。モデルの収入例として、雑誌の専属モデルであれば、ひと月約20万~30万円で契約し、撮影ごとに約5万~10万円が上乗せされるというケースがあります。ただし、月の契約料や撮影ごとの報酬は人それぞれであり、月収の相場を算出するのは難しい職種と言えるでしょう。モデルの年収も人気や年齢によって異なり、約200万~300万円が平均だと言われています。人によっては年収1千万円を超えるケースもあるものの、多くの場合、キャリアの初期には安定した収入を得るのは難しいでしょう。新人モデルはモデルの仕事だけでは生活が難しく、掛け持ちでほかの仕事をしている方も多くいます。5. モデルの仕事へ転職を考える際のポイントモデル未経験でも、自分の魅力や強みを理解し、自信を持ってアピールできれば採用される可能性はあります。以下では、モデルの仕事への転職を考える際のポイントを3つ紹介するので、参考にしてください。5-1. モデル業界への入り方モデル業界に入る方法やきっかけとしては、以下のようなものが挙げられます。・事務所に所属するモデル事務所や芸能事務所に所属する方法です。事務所からマネジメントやサポートを受けられる点が大きなメリットとなっています。・雑誌のオーディションやコンテストに参加するファッション雑誌などが開催するオーディションやコンテストに参加し、結果を残せれば、事務所に所属してプロのモデルとして活躍できます。・スカウトを受ける路上スカウトを受けたことがきっかけでモデルになる方もゼロではありません。ただし、中にはスカウトを装った悪質な詐欺もあるため十分に注意しましょう。・SNSやライブ配信で有名になるSNSやライブ配信で有名になったことがきっかけで、モデルにスカウトされたり仕事を依頼されたりするケースもあります。▶「モデルになるには」5-2. モデル事務所の選び方プロのモデルとして本格的に活動したい方は、モデル事務所に所属するのがおすすめです。ただし、事務所によって「芸能の仕事に強い」「SNSに強い」「ファッションモデルが中心」など強みやジャンルが異なります。そのため、自分の希望に近い働き方をするためにも事務所選びは重要です。芸能系の事務所にはテレビ番組に出演する芸能人が、モデル系の事務所にはファッション雑誌やファッションショーなどで活躍するモデルが所属しています。どのような事務所を選ぶかによって露出するメディアが異なるため注意してください。事務所選びを始める前に、自分がモデルとしてどのように活動したいかを明確にすることが大切です。5-3. フリーランスでの働き方フリーランスのモデルとして活躍する方も少なくありません。通常のモデルとフリーランスモデルとの違いは、事務所に所属しているか、事務所に所属せず個人で活動しているかです。通常のモデルは事務所から依頼された仕事を行うため、合わないと感じる仕事もこなす必要があります。一方、フリーランスモデルは仕事を自分で選べるため、嫌な仕事は避けられる点が大きなメリットです。また、フリーランスはスケジューリングも自分で行うので、時間の使い道の幅が広がります。ただし、フリーランスモデルは自分の力で仕事を探し、契約に関する交渉もすべて自分で行う必要があります。事務所からのサポートやマネジメントが受けられないため、自由と同時に大変さもある働き方と言えるでしょう。6. モデルの仕事で求められる条件は?モデルになるために必要な資格はなく、一般的には学歴も問われません。ただし、モデルの仕事では求められる条件や気をつけるべきポイントがいくつかあります。以下ではモデルにおいて重視される代表的な条件を5つ紹介します。6-1. 顔立ちや身長・体型ファッションモデルやコマーシャルモデルなど、顔や身体を使って表現する仕事では、顔立ちや身長・体型といった要素が重要です。整った顔立ちの方や顔が小さい方は、モデルとしての道が開かれやすいと言えます。最近では多様な身長・体型のモデルが求められており、必ずしも高身長・瘦せ型である必要はありません。高身長であることやすらりとしたバランスがよい体型であることは武器になりやすいものの、実際には低身長の方やぽっちゃり体型の方などもモデルとして活躍しています。大切なのは、自分がどのような身長・体型なのかを把握し、適した事務所や仕事を選ぶことです。6-2. 最低限のマナーと所作モデルにも、社会に出た大人としての常識ある振る舞いが求められます。モデルの世界では、人との縁がきっかけで仕事につながることも少なくありません。しかし、マナーや所作が身についていなければ、「この人とは仕事をしたくない」と思われる可能性が高くなります。自分の振る舞いがいつ誰の目に入るか分からないことを念頭に置き、日頃から最低限のマナーを意識して守ることが大切です。ただし、正しいマナーや所作は一朝一夕では身につきません。なるべく早い段階で挨拶や言葉遣い、礼儀などを学び、習慣づけましょう。6-3. コミュニケーション能力モデルの仕事ではある程度のコミュニケーション能力が不可欠です。モデルの仕事は、ディレクターやスタッフ、スタイリスト、ほかのモデルなど、さまざまな関係者と協力しながら進行します。関係者とコミュニケーションをおろそかにすると、意思の疎通や情報共有がうまくいかず、業務がスムーズに進みません。また、しっかりとコミュニケーションが取れない場合、関係者やクライアントとの信頼関係を構築するのも難しくなるでしょう。仕事を進める上でのやりとりだけではなく、挨拶やちょっとした雑談などのコミュニケーションも、仕事を円滑に進める鍵になります。6-4. 体調管理やスタイルの維持現在では多様なスタイルのモデルに需要があるものの、美への関心の高さが求められるという点では共通しています。大切なのは、美しさを磨くこと、そして維持することです。例えば、どのようなモデルにとっても肌の美しさは重要なポイントとなります。美しい肌を維持するためには、日焼け止めや日傘などの紫外線対策や、食生活の改善は欠かせません。求められるスタイルを維持するために、トレーニングに取り組むモデルも多いでしょう。また、体調面のコンディションは肌やスタイルの維持に影響するほか、事務所やクライアントとの信頼関係も左右します。規則正しい生活習慣を身につけ、十分な睡眠時間を確保し、バランスのよい食事を摂ることが大切です。6-5. 豊かな表現力と個性モデルとして成功するためには、「この人でなければ駄目だ」と思ってもらえるような個性が必要になります。周りに合わせて没個性的になるのではなく、自分の個性を認め、それをほかの人にはない武器として伸ばすことが重要です。また、モデルの仕事では、クライアントが求めるテーマやコンセプトを自分のポーズや表情を通して伝えます。そのため、モデルとして活躍するためには豊かな表現力と演技力が必要です。トレンドを押さえた表現力を継続的に学ぶほか、ウォーキングのレッスンなどを通して実際に体を動かしながら身につけることも大切です。モデルの仕事は、ブランドや商品の魅力を身体を通じて表現する職業です。ファッションモデル、コマーシャルモデル、パーツモデルなど、種類ごとに仕事内容が異なります。例えば、ファッションモデルは衣服やアクセサリーを身に着けてショーや撮影に出演し、コマーシャルモデルは広告を通じて商品を消費者に訴求します。モデルを目指すには、自分の魅力を理解し、それを伸ばす努力が欠かせません。事務所選びやオーディションの挑戦を通じて夢を実現しましょう。